書面添付2

一見メリットが多いように感じられる書面添付制度ですが、実際に

税務署に提出される申告書のうち、書面添付がなされているものは

平成21年ごろでも4〜5%であるとされています。

なぜ書面添付制度は普及が進まないのでしょうか?


まず第一に書面添付は税務調査を行わないということを保証するものではありません。

税理士に対して意見聴取を行い、「調査の必要がないと認められる場合に限り」

調査を省略することができるだけです。

そうすると書面を作成添付し、意見聴取に協力したにもかかわらず、

税務調査が行われ修正申告となるようなケースも考えられます。

実際のところ、書面を添付して意見聴取が行われた場合にどの程度調査が省略されるのか、

その割合がおおよそでもわからない限り、税理士がこの制度に対して消極的になるのも

やむをえないかもしれません。


第二に添付書面の記載内容です。

法人税や所得税の申告書は基本的に税金の計算過程を記載するものであり、

どの税理士が作成しても同じものができるはずです。

申告書には例えば文章力・表現力といったものは要求されません。

ところが33条書面は異なります。

何を書くか、どのように書くかはすべて税理士の裁量に任されます。

ある会社について2人の税理士が申告書と33条書面を作成した場合、

申告書は同じでも、33条書面は全く違うものができあがるでしょう。

もちろん税理士はこれまでの経験から、税務署がどのような点に疑問を感じるか、

どのように説明すればその疑問を解くことができるかある程度はわかります。

しかしそれは経験則、勘といった話になりますから、税理士が一生懸命書面を

作成したにもかかわらず、内容は税務署にとってどうでもよい事柄ばかりで、

逆に税務署が疑問を感じる点には全く触れられていないということも

起こりえるのです。


書面添付の割合の低さから、日本税理士会連合会は税理士に対して啓発活動を

行っています。

しかし書面添付は納税者と税理士にとって、それなりの事務作業の負担を

もたらすものです。

その一方で上記のように効果が明確でなければ、添付割合の顕著な上昇は

難しいのではないのかな、という気がします。

→税理士業界用語集 トップへ戻る

▲このページのトップに戻る