税理士試験の受験勉強をしていると、まず「試験範囲の膨大さ」に驚かれることでしょう。税理士といえば、いわば“税に関するエキスパート”ですから、それなりにしっかりと知識を有しておく必要があります。そうなると必然的に、試験として課される範囲は広く、そして深くなるというわけです。
税理士試験の受験対策上、最も大切になってくるのが「復習(反復学習)」です。税理士試験の受験勉強を始めると、たいていの方が「授業を受けたり、参考書を読んだりした直後にはしっかりと知識が頭に入っているけれど、数日も経たないうちに忘れてしまう・・・」という、ある種“記憶の壁”とも言えるような問題に頭を悩ませることでしょう。確かに、税理士試験においては税に関する様々な知識を網羅しなければなりませんから、受験生は必要な事柄をどんどん習得しなければなりません。しかしながら、入ってくる知識があれば、一方では頭から抜けていってしまう知識もあり、受験勉強においては何度も繰り返し覚えなおす作業を欠かすことは出来ません。このように、税理士試験の受験生は必然的に「復習(反復学習)」に力を注ぐことになり、これこそが受験勉強の要であるとも言えるわけです。
復習(反復学習)のやり方としては、「翌日」、「1週間後」、「1ヵ月後」のタイミングで繰り返し学習する方法が効果的であると言われています。具体的には、ある単元を学習したら翌日にもう一度内容を確認し、その後はどんどん別の単元を学習していきますが、1ヵ月が経過する頃に再度、最初の単元に戻るという方法です。この方法で、全ての単元の知識をこつこつと、そして確実に習得していきます。この様な反復学習は税理士試験の受験勉強に限って有効というわけではなく、どんな資格試験においても役に立つ勉強法です。この手法を通して、何かを覚えようとする時には「定期的に知識の定着を図ること」が最も大切であるということを実感させられることでしょう。人の脳は、一度に大量の情報をインプットできるようになっておらず、一定の時間をかけて徐々に記憶を定着させる性質があるそうです。そういった意味においても、復習(反復学習)は記憶定着のために欠かせない要素なのです。
税理士試験の受験勉強における「復習(反復学習)」はかなりの根気を要する作業なので、時には気持ちがめげてしまうこともあるでしょう。試験日は確実に迫っているのに、必要な知識は覚えては抜けての繰り返し・・・、そんな状況に悲しい気持ちになってしまうことも多々あると思います。しかしながら、そんな時こそ頑張り時です。努力は人を裏切りません。自分自身の努力を信じて、何度も繰り返し覚えることこそが、税理士試験合格への一番の近道なのです。