税理士試験合格を目指す方にとって、直前期の勉強方法というのは、合否を分ける非常に大切な要素であるといっても過言ではありません。今までどんなに必死に勉強をしてこようとも、そしてこれまでの模試結果がどんなに良かったとしても、直前期を上手に活用できない受験生は税理士試験本番で実力を発揮することは出来ません。また、逆に言えば、7月まであまり勉強時間を捻出することが出来なかったような方であっても、直前期にしっかりと密度の高い勉強に取り組むことで十分に合格圏内に入ることが可能になります。そのため、1年間勉強の経過が順調だった方にとっても、一方でそうでなかった方にとっても、直前期の過ごし方というのは特に重要になってくるというわけです。
それでは、税理士試験直前期にあたる7月からは、どんな勉強に取り組むのが有効なのでしょうか?
その答えは、何と言っても「過去問や模試の総復習」です。よく、直前期の不安感からいろいろな問題集に手を出してしまう方がいますが、多くの受験生にとって、これは焦りを増長させる原因になるだけであって、あまりプラスの効果はありません。直前期というのはどこか気持ち的に不安的な状態が続きますから、落ち着いて問題を解くことがこれまで以上に難しくなります。そんな状況で初見の問題を解いても、当然上手く解答を導き出せないケースがほとんどですね。直前期に解けない問題に出会ってしまったら、どんな方でも相当の不安を感じますよね。そのため、直前期にはひたすらに既に習得した知識のおさらいをする方が、断然効果的であると言えるのです。
過去問や模試の復習をする際には、ぜひ「問題の論点はどこにあるのか」を意識して解き直しをしてみましょう。何度も取り組んでいる問題の場合、問題文の冒頭も見るだけで答えが分かってしまうこともあると思います。しかしながら、そのようなやり方でどんどん数だけをこなしていっても、実際の税理士試験で少し視点を変えて出題されてしまっただけで途端に解けなくなってしまうでしょう。問題文のポイントはどこにあるのか、問題の作り手は受験生に何を問うているのかに注目し、一つひとつの問題を通して本当に必要な知識を蓄えるよう心がけてください。
その他、「奇問難問にあまりこだわらない」ということも、直前期の勉強においては重要なことです。税理士試験においては、基本的な問題をいかに確実に得点していくかが鍵になります。一部の難問にこだわってばかりいて、基本的な知識の定着がおろそかになってしまうようであれば、税理士試験で合格を勝ち取ることは出来ません。あくまで基本事項を中心に、地道に復習を進めましょう。