税理士法人3


6、税理士法人の設立手続き


税理士法人の具体的な設立手続きについて確認しましょう。

といっても、この点は通常の株式会社の設立手続きと大きく異なるところはありません。


税理士法

第四十八条の三  税理士法人は、その名称に税理士法人という文字を使用しなければならない。

第四十八条の八  税理士法人を設立するには、社員となる税理士が、共同して定款を定めなければならない。

第四十八条の九  税理士法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。


まず社名には必ず「税理士法人」を入れなければなりません。

定款認証〜設立登記の流れは株式会社と同じですね。

株式会社同様、設立後には税務署や都道府県、市町村に届出を出す必要がありますが、

それに加えて日本税理士会連合会にも届出が必要になります。

なお税理士法人を閉鎖する手続き(解散と清算)もほぼ株式会社に準じます。

 


7、税理士法人の今後の課題


税理士法人の今後の課題、その他個人的に思いついたことをいくつか記しておきます。


上述したように税理士法人の大きな特徴が無限連帯責任です。

近年、税理士業務に関する損害賠償請求は件数も一件当たりの金額も増加傾向にあります。

一人の社員税理士のミスで他の社員税理士が全財産を失うこともあるという可能性は

当然ながら税理士法人設立の大きな心理的ハードルになることでしょう。

統計はありませんが、現状では税理士法人の相当数は親子で社員になっているものが多いと思います。

いくら親しくても、信頼できる人物であっても、金銭的に大きな責任を分かち合う以上、

他人と法人を立ち上げることにはためらいがあるでしょう。

この問題の解決策の一つが税理士職業賠償責任保険、略して税賠保険です。

但しこの保険は免責の範囲がわかりにくいのが欠点ですね。

税理士法人制度の普及発展には、税賠保険の拡充、わかりやすさが必須であると思います。

 

税理士法人が制度化されてまだ10年になりませんが、毎月、税理士会の会報には解散した

税理士法人の名称の掲載が途切れることがありません。

その原因の大半は内部での意見の食い違いであると思われます。

もともと税理士を目指す人物はよく言えば独立心が旺盛、有体に言えばお山の大将になりたい

タイプが多いのです(自省も含めて)。

他人の意見も聞きながら、組織としてまとまって運営することに様々な困難はあるでしょう。

とは言うものの、いったん法人を設立した以上、安易な解散はクライアントにとって大迷惑です。

この制度がまず第一に納税者の便宜を図るため創設されたものである以上、

もし税理士法人を立ち上げるなら社員となる税理士には高い見識が求められると思います。

 

それから最後に、税理士業界は全体として寡占化の傾向が強まると感じています。

その最大の要因はインターネットですが、税理士法人制度も寡占化が進む一定の要因にはなるでしょう。

もっともこのような流れは他の産業においても避けられないものです。

税理士法人ではない個人の税理士事務所も、それぞれの特色を打ち出すことで

差別化を図り、勝ち残っていくことは十分に可能だと思います。

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