税理士試験に限らず、どんな試験においてもケアレスミスはつきものです。人間ですから“問題文をうっかり読み違えてしまう”ことはあるでしょうし、“緊張しすぎて簡単な計算を解き間違える”ということも多かれ少なかれ可能性としてはあるでしょう。人間は計算機やロボットではありませんから、ケアレスミスというのはある程度やむを得ないことなのかもしれませんね。
しかしながら、税理士試験においては、時に「些細なケアレスミスに泣く」ということも十分にありえます。ケアレスミスのために合格点を逃してしまった、ということになると、もはや些細なミスを「やむを得ないこと」で片付けることは出来ないでしょう。そんな悲しい思いをしないためにも、日頃の学習の中でケアレスミスの防止対策を講じていかなければなりません。
それでは、税理士試験においては具体的にどんなことに気をつければケアレスミスを回避することが出来るのでしょうか?
第一に、普段の学習の中で「ケアレスミスを些細なミスと捉えないよう心がけること」が大切です。問題演習などをしていて単純な計算ミスに気付いても、多くの受験生は問題の解き方・考え方が合っていれば最終値が間違っていても“正解”と捉えてしまいます。「あぁ、なんだ。ここの数字を読み間違えてしまったのか」と、誤りを発見すると同時に、「でも、考え方は合っているからこの問題は大丈夫」として処理してしまう方が実に多いのです。皆さんも、身に覚えはないでしょうか?学習が進んでいくと、どうしても習熟度が気になってくるものですから、ケアレスミス程度で間違った問題は“理解しているもの”と認識したい気持ちになるのは当然のことです。
しかしながら、税理士試験では「正しい計算によって、正しい値を導き出す」ことまでが試験として問われます。そのことを十分に意識した上で、日頃の勉強においては思い切って“最終値が正しくなければ不正解”と考えるようにしておいた方が良いでしょう。ケアレスミスを単純なミスと捉えないことにより、これまで以上に意識をするようになるため、最終的にぐんとその数を減らすことが出来るのではないでしょうか?
その他、税理士試験に限らず一般的によく言われているケアレスミス防止法といえば、「試験慣れをしておく」ことでしょうか。
税理士試験の本番は、1年に1度きりしかないチャンスです。このチャンスにしっかりと実力を出し切るには、何といっても日頃の訓練がモノを言います。税理士試験については、毎年本試験前に各社で模擬試験が実施されていますから、これらに積極的に参加することはとても有意義です。人間は、緊張すると普段では考えられないような間違いをしてしまうもの。緊張のために、「問題もろくに読めなかった」、「普段は出来るはずの単純な計算をミスした」という受験生は、毎年本当にたくさんいるのです。
たかがケアレスミス、されどケアレスミス・・・。税理士試験を突破するためには、些細なミスを防ぎ確実に一つひとつを得点していける力が必要不可欠であると言えるでしょう。