平成22年度税制改正について

平成22年度税制改正は民主党政権下における初めての税制改正であり、税理士界も非常に高い関心を持って見守る中で行われました。

プロセスにおいては、自民党時代の党税調重視を転換して政府税調に権限を集中しましたが、その一方で財源問題からマニフェストの実現は困難になり、結局調整の主要部分は与党幹事長に委ねられたことをご記憶の方も多いでしょう。

 

個別の項目を見れば、まず大きな改正として扶養控除に関するものが挙げられます。

子ども手当の導入に伴い、実質的には16歳未満のお子様を扶養家族から外すこととなったこの改正は、毎月の給与計算にも直接的な影響を与えることから、年末年始に顧問先企業への案内に追われた税理士も少なくないと思われます。

一方、事業者関連項目を見れば、テーマとして最大のものはグループ法人税制かと思われますが、やはり多くの税理士・中小企業が歓迎したのはオーナー給与課税の廃止です。

この項目は一時、廃止見送りの報道がなされて税理士を落胆させましたが、最終的には平成22年4月1日以後終了事業年度から完全廃止という改正内容となり、税理士界は一転安堵することとなりました。

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平成22年度税制改正〜事業者関連〜

★グループ法人税制の創設

1、グループ法人間で譲渡損益調整資産(1000万円以上の固定資産)を譲渡した場合は、譲渡損益を

申告では計上せず(反対調整する)、その資産をグループ外に譲渡した時点で初めて損益を顕在化する。

2、グループ法人間の寄附は全額損金不算入、益金不算入となる。

適用時期:H22年10月1日以後の譲渡・寄附から

 

★清算申告

清算所得課税(財産法)の廃止→清算まで通常の所得課税(損益法)へ

適用時期:H22年10月1日以後の解散から。

 

★特別控除・特別償却関係

「情報基盤強化税制」を廃止して「事業基盤強化税制」へ統合する(H23.3.31まで)。

「中小企業投資促進税制」は2年間延長する(H24.3.31まで)。

 

★オーナー給与課税

特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入が廃止された。

適用時期:H22年4月1日以後終了事業年度から

 

★その他

少額減価償却資産の即時償却、交際費等の損金不算入および中小法人の損金算入の特例

(上限600万円)は2年間延長する(H24.3.31まで)。

 

★消費税の仕入税額控除の適正化

「課税事業者選択不適用届出書」と「簡易課税制度選択届出書」の提出制限により、

自販機を利用した消費税還付スキームが封じられた。

H22年度税制早わかり(大蔵財務協会)の262ページの表がわかりやすいので参照して下さい。

適用時期:H22年4月1日以降開始事業年度から

 

★租特透明化法

適用額明細書の提出が義務付けられた。

適用時期:H23年4月1日以後終了事業年度から

 

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平成22年度税制改正〜非事業者関連〜

★扶養控除について

・「扶養親族」から「控除対象扶養親族」へ名称が変更された。

・「16歳未満」は控除対象扶養親族ではなくなる。

・特定控除対象扶養親族は「16歳以上23歳未満」から「19歳以上23歳未満」となる。

(以上は住民税についてもほぼ同様の取り扱いとなります)

適用時期:H23年1月1日から

 

★生命保険料控除

新しく介護保険料控除が創設され、一般・年金と合わせて全部で12万円が限度額となる。

但しH23年12月31日以前契約の保険料控除のみの場合は従来通り、一般・年金で10万円が

限度となる。

適用時期:H24年分の所得税から

 

★居住用財産

「特定の居住用財産の買換え等の場合の長期譲渡所得の課税の特例」(要件→10年超居住+翌年までに買換え)

「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び3年繰越控除」(要件→損失+買換え)

「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び3年繰越控除」(要件→損失+オーバーローン)

以上がいずれも2年延長された。

適用時期:H23年12月31日まで

 

★住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置

改正前(H21年まで)は500万円

H22年中→1,500万円に、H23年中→1,000万円に増額する。

これらは暦年課税、相続時精算課税のどちらを選択する場合でも適用される。

 

★書式関連

・H22年分所得税の確定申告書から、住民税用申告書(複写式2枚目)が廃止された。

・H23年分の扶養控除申告書から「住民税に関する事項」欄を新設

(非課税限度額判定のため、年齢16歳未満の扶養家族を記入する)

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