税理士業務マニュアル/法人の確定申告〜節税対策の検討〜

法人の顧問先については、決算申告処理に進む前に税理士事務所側でもいくつか準備が必要です。

まず利益が計上されそうな法人については決算の1〜2ヶ月前に節税対策を検討する必要があります。

下記「節税対策検討表」を参考にして下さい。

 

〜節税対策検討表〜

○比較的簡単に適用できるもの

・売上原価、人件費の帳端分計上

・諸経費、社会保険料、決算賞与、固定資産税の未払計上 

・役員親族への給与支給(※事業従事の実態が必要。本人の所得状況や扶養状況の確認が必要。)

・広告宣伝費の支出、修繕費の支出

・固定資産取得時の租税公課、登録費用等の損金処理 

・繰延資産の償却(※会社法上の繰延資産は任意償却。)

・少額減価償却資産の購入(※1個30万円未満、かつ1期300万円未満。)

・不良在庫、不要固定資産の除却(※有姿除却ではなく、実際の処分が望ましい。)

・倒産防止共済への加入(※設立1期目は加入不可。)

・民間生命保険への加入

・決算月の変更(※期末に突然多額の売上が発生する場合など。届出書提出のみで変更可。)

 

○比較的適用が難しいもの

・(家賃)短期前払費用(※期末前10日間に翌期分の範囲内で支払い。家主との変更契約書が必要。)

・役員借入金への利息計上(※但しこの場合は年間20万円未満でも個人確定申告が必要。)

・不良債権の貸倒損失

・役員の資産買い取り、資産賃借、役員自宅の社宅化(※個人確定申告が必要。)

・最終仕入単価の引下げ(※最終仕入原価法適用により、期末棚卸高の圧縮が可能。)

・関連会社等の活用、試験研究費の計上、役員退職金の計上

→税理士業務マニュアル トップへ戻る

税理士業務マニュアル/法人の確定申告〜決算についてのご案内〜

法人の確定申告では、顧問先にご用意いただく書類や事前に確認しておくべき事項が多くあります。

この準備がきちんとできていれば、税理士事務所内での処理がスムーズに進みます。

決算後、遅くとも申告期限の1ヶ月くらい前までに決算書や申告書を作成するために必要な書類、

確認すべき事項をご案内しておきましょう。

下記「決算についてのご案内」を参考にして下さい。

 

〜決算についてのご案内〜

1、通帳のコピーについて

利用されている各口座の通帳の、期末日を含む部分のページをコピーして税理士事務所へお送りください。

当座預金など通帳がない口座については明細等のコピーで結構です。

また普段は利用されていない普通・定期・定積などの通帳についても利息がついている場合があるため、

必ずご記帳のうえコピーをお送りください。

2、割引手形・裏書手形について

受取手形のうち、期末日時点で割引・裏書に回しているものはありますか?

あればその内訳を税理士事務所までお教えください。

3、不良債権について

受取手形や売掛金その他の資産のうち、期末日時点で取引先が倒産等の状態になり、

回収が懸念されるものはありますか?あればその内訳を税理士事務所までお教えください。

また弁護士事務所や裁判所などから送付された書面があればそのコピーを税理士事務所へお送りください。

4、固定資産の増減について

別紙は御社の固定資産の一覧表です。このうち今期中に廃棄・売却等されたものはありますか?

5、従業員数について

御社の期末日時点での従業員数をお教えください。従業員数は役員・正社員・パートなどすべてを含みます。

また複数の事業所がある場合は事業所ごとにお教えください。

6、締め後の売上・仕入・経費について

売上・仕入・経費などの締め日を20日や25日などにされている場合、

その日後から期末日まで数日間の売上・仕入・経費を今期の決算に計上する必要がございます。

該当するものがあれば税理士事務所までお教えください。

7、たな卸しについて

期末日現在のたな卸し資産について、集計のうえ内訳書を税理士事務所までお送りください。

なお税抜金額か税込金額かどちらかで統一していただき、内訳書に税抜または税込と明記してください。

期末日現在お手元になくても、仕入れたがまだ到着していないもの(未到着在庫)、

外注先などに預けて加工してもらっている途中のもの(預け在庫)も含めて集計してください。

※参考→たな卸しの金額は当期の損益に影響します。

原則として、前期末のたな卸しより当期末のたな卸しが減っていれば当期利益は減少し、

増えていれば当期利益は増加します。なお貴社の前期末たな卸し残高は○○円です。

8、減価償却について

御社の今期の減価償却費は総額○○円程度と見込まれます。

法人の場合、減価償却は強制ではなく、計上を見送ることも可能です。

ただし「中小企業会計指針」チェックリストの否認項目となりますのでご注意ください。

9、税額の計算について

通常、法人税・法人住民税・法人事業税の合計額は当期最終利益の約30〜40%程度、

消費税額は仮受消費税と仮払消費税の差額となります。

ただし今後の決算整理で上記の金額は相当程度変動する可能性もありますのでご注意ください。

10、送付書類について

下記の3箇所から必要書類が送付されます。すべてそろいましたら税理士事務所へお送りください。

→○○税務署、○○府税事務所、○○市役所

11、登記事項の変更について

今期中に役員の構成、事業目的など、登記事項に変更はありましたか?

あれば履歴事項全部証明書のコピーを税理士事務所までお送りください。

12、株主の変更について

今期中に御社の株式の売買等はありましたか?

あれば売買契約書等を税理士事務所までお送りください。

13、役員の任期について

御社の役員は次回の定時株主総会をもって任期を終了します。

引き続き役員を勤める場合はその旨を登記する必要があります。

(法務局・司法書士等へ手数料が数万円程度かかります)。

従来、役員の任期は一律2年でしたが、新会社法により10年以内で自由に決定できることになりました。

14、役員報酬について

役員報酬は、原則として年1回、所定の時期にしか変更できません。

御社の場合は○月○日支給分から変更となります。

変更される場合は各役員ごとに予定金額を税理士事務所までお教えください。

※源泉所得税・社会保険料の負担額にご注意ください。

※老齢厚生年金を受給中の方は役員報酬の金額により年金減額の可能性があります。

15、設備投資について

来期中に多額の設備投資(不動産の購入・機械設備等の購入)をされる予定はありますか?

あれば税理士事務所までお教えください。

→税理士業務マニュアル トップへ戻る

▲このページのトップに戻る