【設例】
250,000円の中古車を15台購入して経費として処理した。
【解説】
もうひとつ、少額減価償却資産についての注意点をお話しましょう。
(消費税免税事業者である)A社は今年の業績が好調で、相当額の利益が残りそうです。
ところでA社は来期から新しい商品を大々的に販売すること、そのための営業マンを
15名程度採用することが決まっています。
営業マンは軽自動車で営業活動を行うのですが、そこでA社の社長が思い出したのが以前顧問税理士から
教えてもらった少額減価償却資産、即時償却の制度です。
30万円未満の資産なら購入したその年に全額経費となり、今期の利益・税金も減らすことができます。
ちょうど知り合いの中古車ディーラーが、同じ車種で状態もほぼ同じの中古の軽自動車を15台、
一律250,000円で販売してくれることになりました。
250,000円×15台=3,750,000円を支払って納車も済ませ、利益も減らせたと思った
A社長が顧問税理士に電話をかけたところ、意外な答えが返ってきました。
「経費にできるのは3,000,000円まで、残り750,000円は減価償却ですよ」
実はこの制度には「1個または1台あたり300,000円未満」という規則に加えて、
「年間で3,000,000円が限度」という決まりもあるのです。
3,000,000円は経費に出来たし、残り750,000円もどのみち来年以降は減価償却費として
経費になっていくのですが、少しだけがっかりしたA社長でした。
【税理士からのワンポイントアドバイス】
少額減価償却資産は「1個または1台あたり300,000円未満」 かつ 「年間で3,000,000円が限度」 になります。