税理士の税務調査事例集/低額譲渡

【設例】

流行遅れで売れる見込みのない商品を仕入値の10分の1で販売した。

 

【解説】

卸売業・小売業では、通常どんな商品でも仕入値にいくらかの利益を載せて販売します。

ところがやむを得ない事情で、仕入値、あるいはそれを下回る価格で販売せざるを得ない場合もでてきます。

たとえば衣料品関係であれば流行から遅れてしまった、あるいはいわゆる「訳あり商品」など

消費者に受け入れられにくい何らかの要因があるような場合です。

チラシやネットでもよく在庫処分セール、訳あり商品セールを見かけますね。

しかしこのような仕入値を下回る販売については十分に注意して行わなければなりません。

 

我が国の法人税法においては、法人は常に利益を追求する存在であり、従って無償・低額で資産を譲渡しても

(そんなことは本来ありえないはずだから)、時価すなわち通常の販売価格でその資産を譲渡したとみなして

法人税を課税することが定められています(法人税法第22条、第37条)。

この場合の税務上の仕訳は 借方(寄附金)貸方(売上高) となります。

消費税についても同様に時価を基準として課税されます。

しかし今のデフレの世の中、一部の商品を客寄せのため原価割れで販売したとして、

それをいちいち税務調査で否認していくということには疑問を感じますし、

おそらく調査の現場でもそのような対応は少ないでしょう。

気をつけるべきは販売相手がその会社の関係者、すなわち代表者、親族、従業員、または

それらが経営する法人であるような場合です。

その場合、売上金額を時価と見なされるのみならず、購入した側も時価との差額を給料と見なされて

源泉所得税を課税されるケースがありますので十分ご注意下さい。

税理士の意見としてはそれらはできれば避けた方が良い取引です。

 

【税理士からのワンポイントアドバイス】

低額譲渡は、少なくともその法人の関係者に対して行う場合、相当の税務リスクが発生します。

 

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