税理士の税務調査事例集/売上値引

【設例】

売上値引を売上と同時に計上した。

 

【解説】

販売した商品に不良品があったなどの理由で、売上を値引・返品することがあります。

少額だったり、決済がすべて銀行振込であれば金額も簡単に把握できますからそれほど問題になりません。

問題になるのは金額が大きい場合、あるいは期末日近くに計上されている売上値引です。

基本的にこちらが締め日で売上を計上した段階で、相手側が不良品の存在に気付き、

値引することをお互いが合意しているか否かが問題となります。

しかし通常、不良品の存在に気づくのは納品後ある程度の時間が経ってからでしょう。

そうしてお互いの間でやり取りがあり(クレームという状態になることもありますね)、

決済日の手前頃に結局いくら値引するのか決着することが多いと考えます。

このケースで、締め日と決済日が期末日3/31をまたいでいる場合は気をつけなければ、売上値引を否認されます。

念のため、仕訳を記載しておきます

◆間違い〜締め日付で以下の仕訳を入力する。

(借方)売掛金+売上値引 (貸方)売上

◆正解〜決済日付で以下の仕訳を入力する。

(借方)普通預金+売上値引 (貸方)売掛金

 

これは余談ですが、これまで税理士をつけていなかった会社が税理士と契約された場合、

あるいはある税理士事務所から他の税理士事務所へ契約を変更された場合に、

売掛金を精査すると本来あるべき残高とどうしても合わない場合があります。

不足する場合は売上を追加で計上しますが、問題は超過する場合です。

この場合「とりあえずそのままにしておく」と「売上値引で落としてしまう」という2つの方法があります。

これを税務調査で発見されると、数万円なら調査官も目をつぶってくれるでしょうが、

数十万円以上になると問題となる可能性大です(寄附金認定、交際費認定)。

会社と税理士の間でどのように処理するか、十分な打合せが必要でしょう。

 

【税理士からのワンポイントアドバイス】

期末日近くの売上値引はその発生原因、金額が確定した時期を十分確認して仕訳しましょう。

 

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