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税理士の税務調査事例集/法人の自家消費

【設例】

仕入れた商品を販売以外の目的に使用した。

 

【解説】

仕入れた商品は通常、適正な利益を上乗せしてお客様に販売します。

一方で、商品の一部を販売目的以外に利用することがあります。

この場合によく税務調査で問題が発生することがありますので注意が必要です。

①見本品として使用する

見本品として使用する場合の問題点は、その商品がどのような状態で使用されているか、

ということです。

例えばガラスケースに入れてきれいな状態のまま、商品としていつでも販売できるようで

あればそれは在庫として計上しなければなりません。

ところが期末在庫をカウントするとき、どうしても見本品は見落としてしまうことが多いのです。

税理士事務所職員は顧問先を訪問したとき、見本品やサンプルが飾られていないか

注意する必要があります(商品単価が高いご商売の場合は特に)。

②お客様へ贈答品として使用する

以前も触れましたが、法人税法ではごく常識的な金額のお歳暮やお中元、販促品を除けば

法人が無料で何かを贈るということが認められません。

高額な商品をお客様へ贈ると(寄附金)(売上高)の仕訳が強制され、しかも寄附金は通常

損金にならないため、売上高部分に課税されることになります。

③役員が私的に使用する

これは最悪のケースです。この場合の仕訳は(役員賞与)(売上高)となり、役員賞与は

損金にならないため上記②同様に売上高部分に課税されるのはもちろん、

役員賞与は源泉所得税の対象になるために二重課税、俗にいうダブルパンチ・往復ビンタの

状況となります。

 

【税理士からのワンポイントアドバイス】

商品を通常販売以外の方法で処分する場合は十分にご注意ください。

 

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