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税理士の税務調査事例集/仕入の前倒し

【設例】

翌期分も当期に前倒しで仕入れた。

 

【解説】

事業が順調で売上・利益が伸びてくるとどうしても税金が気になります。

ここで多くの経営者が思いつく節税策の一つが、仕入を前倒しで行うという方法です。

細々した諸経費とは異なり、仕入は大きな金額を動かすことができますからね。

 

しかし税理士であればこれが節税にならないことは簡単にわかります。

なぜならばいくら商品を仕入れても期末までに売れていなければ、それは在庫として計上する

必要があるからです。

在庫というのは、言うなれば期末時点でその分の仕入れを取消するわけですから、

利益に影響を与えることはありません。

しかし一般の方の考え方は税理士と異なり、どうしても「お金が出ていく」=「利益が減る」と

思いがちになりますので、期末までに仕入れてお金を支払えば利益が減るようなイメージが

あるのですね。

税理士事務所担当者はもし経営者がそのような誤解を持っているならば解いておく必要があります。

もちろんこの仕組みをわかったうえで仕入れを前倒しで計上し、さらに期末の在庫には計上しない

というケースは節税ではなく脱税ですから、重加算税というペナルティが待っています。

 

【税理士からのワンポイントアドバイス】

仕入の前倒しは節税にはなりません。在庫(=仕入の取消)として計上するからです。

 

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