〜制度と特徴〜
電子申告(e-Tax)とはこれまで持参・郵送で税務署に提出していた個人や法人の申告書類をインターネットで
提出するシステムである。
国税庁は業務効率化につながることから電子申告を強力に推進しており、税理士会もその使命を鑑みて
電子申告に協力する立場をとっている。
納税者は電子申告を行う場合、事前に開始届出書を提出してIDとPWを取得する必要がある。
顧問税理士が申告書を提出する場合には税理士のIDとPWも必要となる。
個人の確定申告で申告書に添付していた書類(源泉徴収票、控除証明、医療費領収書など)については
簡易な様式(第三者作成書類)を作成送信することで提出を省略できる。
(但し原本は納税者が5年間保存する義務がある)
〜メリット〜
・還付申告の場合、申告書提出から還付までの期間が2週間程度と短縮される。
・形式的な誤りがあった場合には、税務署からの連絡が迅速に行われる。
・税理士事務所では提出用書類を準備するコスト(OCR印刷、納税者捺印)、持参や郵送のコストを省略できる。
〜税理士事務所での運用〜
税理士事務所内で1名、電子申告担当者を決めて電子申告環境を準備する。
お客様担当者は達人で申告書を作成してチェックを受けるまでは通常申告と同一である
(但し第三者作成書類と送信票の作成が追加で必要である)。
その後、お客様担当者は税務署提出用の書類の代わりに達人から電子申告用のデータをエクスポートする。
そのデータを電子申告担当者が税務署に送信して電子申告を行う。
○導入手順その1〜事前に準備しておくもの
1、税理士自身の利用者識別番号(ID)、暗証番号(PW)
電子申告・納税開始(変更等)届出書を税理士の申告所得税の納税地の所轄税務署へ提出する。
書面・e-Taxどちらでも提出可能である。書面提出の場合は後日、税務署からIDとPWが通知される。
2、日本税理士会連合会の電子証明書(ICカード)+CD(ICカードドライバ)
日本税理士会連合会に電子証明書発行申請書兼利用同意書を提出する必要がある(印鑑証明、住民票を要添付)。
現状では5年毎に更新手続きが必要となる。更新時も電子証明書発行申請書兼利用同意書の提出して
新しいカードの交付を受ける。必ず電子証明書受領書の返送が必要である。
更にe-Taxソフトでの更新作業も必要となる→作業詳細は当事務所の電子申告ファイル「導入編」を要参照。
3、ICカードリーダライタ+CD(リーダライタドライバ)
リーダライタは複数のメーカーから発売されているが、購入する際は、住基カードだけではなく
税理士ICカードにも対応する機種であるか確認する必要がある。
4、税理士事務所名入りの電子申告完了印
法定のものではなく必須ではないが、これまでの税務署受付印に代わるものとして申告書控に押印が望ましい。
○導入手順その2〜パソコンの電子申告環境整備概要
各種ソフトのインストールは定められた以下の順番通りに行う必要がある。
リーダライタドライバのインストール
↓
ICカードドライバのインストール
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(国税庁ホームページから)ルート証明書のダウンロードとインストール
↓
(国税庁ホームページから)信頼済みサイトの登録
↓
(国税庁ホームページから)e-Taxソフト共通プログラムのダウンロードとインストール
↓
(国税庁ホームページから)e-Taxソフト税目プログラムのダウンロードとインストール
○導入手順その3〜リーダライタドライバのインストール+リーダライタの接続
メーカーのホームページに従い、OSに対応するドライバをインストールする。
インストール後にリーダライタを接続してランプが緑色に点灯すればOK。
○導入手順その4〜ICカードドライバのインストール+ICカード記載事項確認(認証)
日本税理士会連合会のホームページから、OSに対応するICカードドライバ(マネージャ)をインストールする。
日本税理士会連合会電子認証局のインストール手順書および記載事項確認手順書を参照して行う。
○導入手順その5〜ルート証明書、信頼済みサイト、e-Taxソフト共通プログラム
国税庁e-Taxホームページのダウンロードコーナーを要参照。
○導入手順その6〜e-Taxソフト税目
e-Taxソフトを起動する→バージョンアッププログラム接続確認が表示される→
OK→追加インストール→必要な項目にチェックを入れる→インストール
(共通upはすべて。申告は所得税と消費税の直近年度分。)
(申請は納税関係、所得税、法人税、消費税、開始届出。)
○導入手順その7〜税理士自身の利用者ファイルの作成
暗証番号の変更、納税用確認番号の登録、電子証明書の登録も合わせて行う。
なおパソコン買換えの場合はこの作業は不要、旧パソコンから新パソコンにファイルを移動するだけで良い。