【設例】
パートやアルバイトには扶養控除申告書を書いてもらっていない。
【解説】
会社は正社員以外に、主婦のパートや学生のアルバイトを雇うことがあります。
毎月のお給料も少額なので、所得税は絶対に発生しないと思い込んでしまいがちです。
年間の収入が103万円以内だと税金がかからないと聞いたことが一度はあるのではないでしょうか?
確かに間違いではないのですが、それは会社に「扶養控除等申告書」を提出している場合の話です。
「扶養控除等申告書」とは、扶養家族の氏名や年齢、障害者などの有無を会社に報告する書類です。
この書類は、その年最初の給料日までに会社に提出することになっており、会社はこの「扶養控除等申告書」に記載された扶養家族の人数と、給料の金額とを「源泉徴収税額表」に当てはめて所得税を算出します。
ところがこの扶養控除申告書について、正社員には提出してもらうがパートやアルバイトには提出させていないという会社が珍しくありません。
「扶養控除申告書」の提出がされていないとどうなるのでしょうか?
申告書の提出が無い場合、その人の給料は「源泉徴収税額表」の乙欄給与というものに該当することになり、どんなにお給料が少額であっても最低3%の所得税を徴収しなければならなくなります。
それなら本人が税務署に税金を納付すればいいだけなので、会社は関係ないのでは?と思われるかもしれませんが、給料の所得税に関してはあくまで会社には源泉徴収と納付の義務があるため、所得税の徴収をし忘れていた場合や間違って少なく徴収していた場合は、会社が税金を立替えて税務署に納めなければなりません。
パートやアルバイトの方がまだ会社に勤務していて、立替えた税金の精算が出来れば良いのですが、すでに退職されて連絡がつかない場合は立替金の回収ができなくなってしまします。
最近は人員の主力がパート・アルバイトであるという会社も多くなりました。
人数が多いと申告書提出もれによる所得税が大きな金額になりかねませんので十分注意しましょう。
【税理士からのワンポイントアドバイス】
パートやアルバイトの人にも必ず「扶養控除申告書」を書いてもらいましょう。