税理士試験においては事前に各科目の試験委員が発表されており、この発表は税理士試験の受験対策上はかなり重要な意味合いを持っています。なぜなら、この試験委員の先生方こそ実際の試験問題を作問する人物ですから、膨大な試験範囲の中から実際に試験問題としてテーマにされるトピックスというのは、いわば彼らに委ねられているといっても過言ではありません。そういった意味で、各科目の試験委員自身の専門分野や例年の出題傾向(出題のクセともいえる)を知った上で対策を立てるということは、税理士試験を制する上では必要不可欠ともいえるのではないでしょうか?
このように、税理士試験合格においては試験委員別の対策というのがどうしても必要になってくるわけですが、「独学で税理士試験に挑む」という方にとってはこの辺りの対策が難しく感じられることでしょう。それぞれの試験委員の専門を調べたり、過去の傾向を把握したりというリサーチは、思いのほか時間を要します。こうした観点から、効率の良い税理士試験対策には資格予備校の利用がお勧めであると言えるのです。大手の資格予備校であれば、当然、実際の問題を作る試験委員に関するプロフィールや過去の出題実績のデータなど、あらゆる情報を蓄積しています。教材や模試などでは、「試験委員」という要素も加味した問題を提供してくれるので、税理士試験合格のためにはこれを利用しない手はない、というわけです。
試験委員たちによって作られる税理士試験問題については、ネット掲示板などの受験生コミュニティで様々な情報交換がされているようです。そこでは「例年出題レベルの差の激しい先生」や「特定の分野に偏った問題の出し方をする先生」などが具体的に挙げられており、試験対策に注意を要する試験委員が明らかにされています。ネット上の情報というと信憑性があるのかどうか、という不安もありますが、掲示板で名の挙がる試験委員は比較的限られており、こうした試験委員が受験生の大半にとって「クセのある問題を作る先生」と感じられていることは間違いないようです。問題の難易度などは個人の感じ方によって異なりますが、受験生コミュニティで得た情報は一応頭に入れておくと、試験対策上役に立つこともあるかもしれませんね。
税理士試験の試験委員は、現役の税理士や大学教授、総務省や国税庁のキャリアなどによって担当されます。例年、年明け1月上旬の官報で告示されており、任期は通常3年です。
税理士試験に確実に合格したい方であれば、なるべく早い段階で試験委員に関する情報をチェックし、試験対策に活かすことが大切であると言えます。