税理士試験は、毎年7月下旬から8月上旬にかけて実施されます。4月上旬に試験実施官報が公告され、5月中旬から下旬にかけて受験申し込みの受付期間となります。7月下旬から8月上旬の3日間に実施された税理士試験の合否は12月上旬に発表されることになっており、最終合格者は官報に掲載され、合格証書が送付されます。
『出願方法』の項でも触れたとおり、税理士試験のスケジュールにおいて特に気をつけておくべきことは、「受験申し込みの期間」であると言えます。税理士試験の場合、他の国家試験と異なり、出願受付期間がわずか10日ほどと大変限られた期間です。この10日間の間に必要な書類を添えて出願を済ませなければならないのですから、願書や必要書類は余裕をもって揃えておく必要があります。
また、税理士試験は例年平日の3日間に行われますから、事前に家庭や仕事の予定を調整し、試験当日は税理士試験のみに集中できる状態にしておくことも忘れてはいけませんね。何の問題もなく試験日当日を迎えられるということは、職場の仲間や家族といった周囲の協力なしには成しえません。税理士試験の受験を決意し、受験勉強に手一杯になってしまうと、どうしても周りの人々への配慮を忘れがちになります。しかしながら、試験当日をベストな状態で迎えるためには、日頃から身の回りの人々への感謝をしっかりと行動で表すように努めておくということも、重要なスケジューリングのひとつであると言えるのではないでしょうか。
税理士試験に限らず、資格試験の対策においては試験日当日に最大の実力が発揮できるよう、効率の良い学習スケジュールを組み、それを実行することが重要になってきます。税理士試験の試験日は夏の初めに設定されているため、夏休み中のお子さんを抱える主婦の方や、業種の性質上夏前に繁忙期を迎えるような方にとっては、直前期の勉強時間の捻出に苦労されるケースも多々あるかもしれませんね。税理士試験を受験される方はそれぞれに個々の背景を考慮した学習計画を検討する必要があり、社会人の資格試験受験においてはこのスケジューリングにこそ難しさがあるのではないかと思います。
学習スケジュールの組み立てに自信のない方であれば、予備校の通信講座や通学の授業を指標にした勉強の計画を検討するのが有効であると言えましょう。予備校のスケジュールは年間を通して無理・無駄のない学習が出来るよう計算し尽くされた、いわば税理士試験のプロによって考えられた理想的なスケジュールです。「自分は予備校の授業を利用せず、あくまで独学でいく!」という方でも、予備校のパンフレットを取り寄せて、年間の授業の進め方を参考に自身のスケジュールを組み立てるという方法は非常に有効であると言えるでしょう。