平成30年度税制改正について

平成30年度税制改正の一つの特徴は、電子申告推進の方向をあらためて示したことにあります。

これまで、基本的には書面申告・電子申告のどちらでも、税金の金額そのものは同額でした。

しかし2020年分以降、書面申告では青色控除が引き下げられるため、少なくとも個人事業者については、電子申告のほうが税金は少なくなります。

さらに資本金1億円以上の法人については、一律に電子申告が義務付けされます。

中小企業について、このような一律強制の可能性は低いと思われますが、引き続き注視が必要です。

 

一方、所得税の主な控除項目について、それぞれ上下に変動させる改正がありました。

このため、「会社員で年収が850万円超の方」 や 「給料と年金両方の収入がある方」などは若干の増税となります。

それでも今回の各種控除に関する改正は、かなり小手先の印象が否めません。

控除関係については、ずいぶん前から抜本改正の必要性が指摘されていますが、やはり政治にとっては避けて通りたい部分なのでしょうか。

 

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平成30年度税制改正〜事業者関連〜

★青色申告特別控除(複式簿記の場合)

原則として65万円から55万円に10万円引き下げる。

但し、申告期限までに電子申告で申告書を提出した者には65万円の控除を認める。

 

適用時期:所得税は2020年分・住民税は2021年分から

 

★大法人の電子申告義務化

資本金等が1億円を超える法人は、法人税の申告を電子申告で行わなければならない。

(書面で提出しても受理されない=無申告となる)

これに伴い、勘定科目内訳明細書の記載内容が簡素化される方向である。

 

適用時期:2020年4月1日以後に開始する事業年度から。

 

★その他(延長措置等)

・中小法人の交際費を800万円まで100%損金とする制度は2年間延長される(2020年3月31日まで)。

・中小企業者等の少額減価償却資産の即時償却特例は2年間延長される(2020年3月31日まで)。

 

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平成30年度税制改正〜非事業者関連〜

★所得税・住民税の基礎控除

所得税は基礎控除を38万円から48万円に10万円引き上げる。

住民税は基礎控除を33万円から43万円に10万円引き上げる。

 

但し合計所得金額2,400万円から基礎控除を逓減、2,500万円で適用外とする。

 

★給与所得控除

一律10万円引き下げる。

下限額は55万円になる。

 

また、上限額は、給与収入1,000万円→控除220万円であったものを、給与収入850万円→控除195万円に引き下げる。

但し23歳未満や特別障害者の扶養親族を有する者はこの上限を設けない。

 

★公的年金等控除

一律10万円引き下げる。

下限額は65歳未満で60万円、65歳以上で110万円になる。

 

★扶養親族の要件

「合計所得金額が48万円以下の者」となる。

給与収入換算では、従前通り103万円以下となる。

 

適用時期:いずれも所得税は2020年分・住民税は2021年分から。

 

★その他(居住用財産)

 

「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び3年繰越控除」

(要件→損失+買換え)

 

「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び3年繰越控除」

(要件→損失+オーバーローン)

 

「特定の居住用財産の買換え等の場合の長期譲渡所得の課税の特例」

(要件→10年超居住+翌年までに買換え)

 

以上がいずれも2019年12月末の譲渡まで、2年延長される。

 

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