令和2年度税制改正について

今回の税制改正で、広く注目された項目の一つがひとり親控除の創設です。

「離婚・死別」を前提としていた控除制度に、「未婚」が新たに加えられます。

 

従来、わが国の税制改正は、いわゆる「伝統的な家族観」と相容れない制度改正には、慎重な立場を取り続けてきました。

しかし、日本社会が少しずつ変容していくなか、現実問題として「未婚の親」が増加していることに、制度上も対応すべきと言う認識が政府・与党でも高まりつつあったようです。

 

平成31年度税制改正では、住民税均等割の非課税対象に未婚親が加えられたものの、ひとり親控除の創設は見送りとなりました。

それが今回の令和2年改正で、最終的に制度創設となったものです。

 

今年は同時に、平成30年改正の基礎控除や給与所得控除・年金所得控除の増減額も適用がスタートします。

所得税の各種控除は非常に議論・批判が集中するところですが、控除関連の改正がこれで一段落するのか、さらなる改正が続くのか、まだまだ目が離せないところです。

 

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令和2年度税制改正〜事業者関連〜

★消費税の申告期限の特例

 

法人の確定申告は、原則として決算日から2か月以内に行う必要があります。

これまで、法人税と法人地方税には、期限をさらに1か月延長する(=3か月以内とする)申告期限の特例制度がありましたが、消費税にはそのような制度がありませんでした。

それが今回の税制改正で、ようやく消費税についても1か月の延長が認められることになりました。

 

但し、法人税・法人地方税・消費税のいずれも、申告期限が延長されるだけで、納付期限は延長されないことに注意しましょう。

すなわち、決算から3か月後に申告と納税を行うと、本来の税金に対して1か月分の利子税がかかることになります。

 

この改正の適用時期: 2021年3月期決算から

 

★その他(延長措置等)

 

・中小法人の交際費を800万円まで100%損金とする制度は2年間延長されます。

(2022年3月31日終了年度まで)

・中小企業者等の少額減価償却資産の即時償却特例は2年間延長されます。

(2022年3月31日の取得まで)

 

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令和2年度税制改正〜非事業者関連〜

★ひとり親控除の創設

 

これまでの寡婦(寡夫)控除は、配偶者との離婚・死別が要件とされていました。

 

今回の改正で、生計を一にする子供さえあれば、離婚・死別に加え「未婚」の親でも適用されるひとり親控除が創設されました。

所得控除額は35万円です。

なお、本人の所得金額500万円以下の要件はこれまで通りです。

 

この改正の適用時期:2020年分の所得税から

 

★寡婦(寡夫)控除の見直し

 

配偶者と離婚・死別した場合で、子供がいない場合は、引き続き寡婦(寡夫)控除が適用されます。

但し所得控除額は一律27万円です(特別の寡婦は廃止されました)。

なお、本人の所得金額500万円以下の要件はこれまで通りです。

 

この改正の適用時期:2020年分の所得税から

 

★その他(延長措置等)

 

・特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び3年間繰越控除

(要件→5年超居住+オーバーローン)

・居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び3年間繰越控除

(要件→5年超居住+翌年までに買換え)

・特定の居住用財産の買換え等の場合の長期譲渡所得の課税の特例

(要件→10年超居住+翌年までに買換え)

 

以上がいずれも2021年12月末の譲渡まで、2年間延長されます。

 

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令和2年度〜過年度改正の本年度開始項目〜

平成30年度税制改正で、所得税の各種控除額が見直されることになりました。

この改正が、今年2020年分の所得税から適用されます。

内容をおさらいしておきましょう。

 

★所得税・住民税の基礎控除

 

・所得税は基礎控除を38万円から48万円に10万円引き上げる。

・住民税は基礎控除を33万円から43万円に10万円引き上げる。

 

但し合計所得金額2,400万円から基礎控除を逓減、2,500万円で適用外とする。

 

★給与所得控除

 

一律10万円引き下げる。下限額は55万円になる。

 

なお、控除の上限額を給与収入1,000万円→控除220万円から、給与収入850万円→控除195万円に引き下げる。

 

★公的年金等控除

 

一律10万円引き下げる。下限額は65歳未満で60万円、65歳以上で110万円になる。

 

★扶養親族の要件

 

「合計所得金額48万円以下」が要件となる(従来は合計所得金額38万円以下)。

※給与収入だけで考える場合は、従来通り年収103万円以下となる。

 

★青色申告特別控除(複式簿記)

 

原則として65万円から55万円に10万円引き下げる。

但し、確定申告を電子申告で提出する場合は引き続き65万円の控除を認める。

 

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