保証協会に保証をしてもらった場合には、銀行へ通常の金利を支払うのに加えて、
保証協会へも料金を払う必要があり、この料金のことを 「保証料」 と言います。
保証料は保証協会にとって一種の手数料収入であり、もし保証した会社が倒産して
銀行に代位弁済をすることになった場合は、この保証料のなかから支払うわけです。
保証料は、元本に対して一定のパーセンテージ(保証料率といいます)を掛けた金額で、
原則として融資実行時に一括前払いで支払う必要があります(実際には融資が保証料を天引きして入金されます)。
ところでこの保証料率が平成18年4月から、22年ぶりに変更されることになりました。
実はそれまで保証料率は業績の良い会社でも悪い会社でも一律で1.35%と決まっていたのです。
これが18年4月からは0.5%から2.2%までの9段階に区分され、業績の良い会社には低い保証料率が、
悪い会社には高い保証料率が適用されることになりました。
保証協会も中小企業を決算書の内容で厳しく選別する時代になったのです。
自分の会社が何%の保証料率を適用されるか、事前に教えてもらうことはできません。
ただ、保証協会側の説明ではすべての会社を平均すれば従来の1.35%付近になるように
新しい料率を適用するとしています。
あまり大きな差をつけすぎると政治的批判も起きかねませんから、
当面は最も低い(第1段階や第2段階)、あるいは最も高い(第8段階や第9段階)料率が
適用されることは少ないのではないかと予想します。
それでは保証料はいくら位になるのか、具体例でご案内しましょう。
平成18年5月31日、㈱リーガル物産は運転資金に充てるため、大阪府中小企業信用保証協会の保証を受けて
取引銀行から以下の条件で借入を行いました。
①借入金額:2千万円 ②借入金利:2.5% ③返済期間:5年(60ヶ月)
④返済方法:元金均等方式(毎回333千円返済) ⑤適用保証料率1.35%
この場合、㈱リーガル物産が借入時に差し引かれる保証料は次のように求めます。
20,000,000×1.35%×5年×0.55=742,500円
最後の0.55というのは割賦回数別係数といって返済期間により定まるものです。
返済期間が2年なら0.6、3年や5年なら0.55になります。
保証料は借り手である中小企業から考えれば一種の金利上乗せです。
上記例の㈱リーガル物産の立場からすれば、保証料を払うことによって
今回の借入は実質的に2.5%+1.35%=3.85%くらいの金利で借入したと言えます。
返済条件どおりにきちんと返済が終わった場合は保証料は1円も戻ってきません。
保証協会へ払う保証料は、たとえば賃貸マンションを借りるときに払う保証金とは異なります。
マンションの保証金はその賃借人が問題(家賃の不払いや部屋の破損)を起こしたときに備えるものですね?
これに対して信用保証料は保証してもらった会社すべてが少しづつ負担して、
どこか一社について代位弁済が必要になった時に銀行へ支払うためのものです。
一種の共済、保険のようなものと考えても良いでしょう。
実は代位弁済のためのお金は保証料だけでは全く不足するので、国から巨額の資金が補てんされていますが・・・
なお、繰上げ返済をした場合には保証料は短縮された期間に応じて返金されます。
たとえば5年返済で借入を行ったが、資金に余裕ができて3年目で残額を一括返済したような場合、
最初に支払った保証料のおおよそ4割が返戻されることになります。
第6問 信用保証協会団体信用生命保険(保証協会団信)について