保証人の代わりになってくれる機関が保証協会ですが、保証協会から保証を受けるため
保証協会に対して第三者保証人を用意しなければならないケースが以前は結構ありました。
具体的には、保証の合計額が多額(5千万以上)であるとか、申込会社の業績が相当悪いような場合です。
たとえばA社が保証協会に5千万の保証を申し込んだところ、社長と奥さん(経理担当)はもちろんですが、
それに加えてもう一人保証人を用意しなければならないわけです。
しかもそれは原則として家族以外から、となるため会社勤めをしている親戚などに頼まなければなりません。
なかなか頼めるものではありませんね?
この決まりは保証協会の利用にあたって大きな障害となってきました。
平成18年4月から、この第三者保証人が不要になりました。
これにより信用保証制度はより利用しやすいものへと変わるでしょう。
ところでなぜ第三者保証人は不要になったのでしょうか?
連帯保証はそもそも以前から批判の多い制度です。
商売に失敗すれば社長のみならず、保証人も再起不能に陥いります。
税理士にも、取引先の窮状に同情して連帯保証人を引き受け、最終的には破産や夜逃げしてしまう
ケースがあり、税理士会では連帯保証人の引き受けは控えるように会員に呼びかけています。
90年代後半に入ると連帯保証人を食い物にする商工ローン業者が社会問題になり、一層批判が高まりました。
わが国で起業が少ない要因のひとつがこの連帯保証であると言われています。
第三者保証の廃止を機会に、より起業家に親切な社会になってほしいものです。
それからもう一つ、第三者保証の廃止は決算の透明性とも関係しています。
これまでいい加減と言われてきた中小企業の決算書も、厳しいルールの下で信頼性を高めて行く
方向で様々な検討がなされています。
その一例が日本税理士会連合会が中心的な役割を果たした「中小企業の会計に関する指針」です。
決算の信頼性が高まれば銀行も保証協会も決算書を見て融資・保証の判断がしやすくなり、
連帯保証人に頼る必要がなくなります。
今回の改正は大きな社会的要請に基づいて実現されたものと言えるでしょう。
第6問 信用保証協会団体信用生命保険(保証協会団信)について